日本を訪れる外国人観光客にとって、丼の中に広がる透明な小宇宙は視覚的にも大きな衝撃を与えている。フレンチのコンソメとは似て非なる、和出汁の技法を取り入れた静謐なスープは、日本の伝統的な「和食」の精神を象徴する存在として受け止められている。
すでにパリやニューヨーク、シンガポールなどの主要都市には、日本の名店が手がける本格的な店舗が進出を開始。現地の一流レストランのシェフたちもその抽出手法に注目し、洋食やアジアンフュージョン料理の現場へとそのアイデアを持ち帰っている。一杯の丼から始まったムーブメントは、世界のアジアンガストロノミーのあり方さえも変えようとしている。