日本の鰻文化を語る上で欠かせないのが「焼き」の技法である。関東では背開きにして一度蒸しを入れることでフワッと柔らかい食感に仕上げるのに対し、関西では腹開きで蒸さずにそのまま直火で香ばしく焼き上げる。店のスタイルは、まさにその両方の良さを熟知した職人技によって支えられている。
皮目はパリッと香ばしく、身は驚くほどふっくらと柔らかい。絶妙な火加減で余分な脂を落としつつ、旨味の詰まった肉汁を閉じ込めるテクニックはまさに芸術的だ。炭火の強火力と遠赤外線効果をコントロールする職人の目配りは、一瞬たりとも隙を見せない。