this is lastの最大の武器は、徹底して実体験に基づいた歌詞です。多くのラブソングが「美しい思い出」や「抽象的な切なさ」を描くのに対し、陽平の書く詞は浮気、執着、後悔、言えなかった本音など、人間が持つ泥臭い感情をそのまま白日の下に晒します。
代表曲『カスミソウ』では、カスミソウの花言葉である「感謝」「幸福」「清らかな心」といった表向きのメッセージの裏に潜む、伝えられなかった未練や別れの痛みが緻密に描かれています。また『殺文句』では、相手に放たれた決定的な一言に縛られ続ける心の痛烈な叫びが綴られており、リスナーから「自分の過去を見られているようだ」と評されるほどの衝撃を与えました。
さらに、リスペクトする邦ロックの先駆者たちへの繊細なオマージュを感じさせるフレーズや、日常会話をそのまま切り取ったような台詞調の言葉選びも秀逸です。「綺麗事では片付けられない恋の痛み」を徹底的に言語化するからこそ、彼らの音楽は単なる流行歌を超えてリスナーの人生に深く刻み込まれています。