なぜ彼女たちは、華やかなエンターテインメント業界から泥臭い政治の世界へと舵を切ったのでしょうか。取材で見えてくる政界進出理由は、世間が抱きがちな「知名度目当ての安易な出馬」という偏見とは大きく異なります。
第一の理由は、芸能活動を通じた社会構造への問題意識です。過酷な労働環境、フリーランスとしての不安定な立場、契約上のトラブルなどを当事者として経験したことで、「エンタメ業界や表現者の権利を守る法整備が必要だ」と痛感するケースが少なくありません。また、被災地ボランティアや地方ロケで目にした過疎化・少子化の現実に危機感を覚え、政策による根本解決を志す動機も目立ちます。
そして選挙当選の経緯において決定打となるのが、圧倒的な知名度と発信力です。選挙戦では、どれほど優れた政策を持っていても名前を知られていなければ投票用紙に書いてもらえません。元タレント特有の「カメラ前での堂々とした演説力」や「有権者の懐に飛び込むコミュニケーション能力」は、選挙戦において強力なアドバンテージとなります。各政党が擁立に積極的なのも、無党派層や若年層の投票行動を引き出す牽引役としての期待があるためです。