このブームの爆発的な火付け役となったのは、身近なオークションサイトやフリマアプリの存在だ。
「祖父の遺品整理で見つかったが、置いていると家で奇妙な音がする」「譲り受けてから不吉な出来事が続いたため手放す」といった、真偽不明のエピソードを添えた出品が目立つ。中には、単なる古い人形や使い古された農具に過ぎないものもある。だが、物語というフィルターが通された瞬間、それらは他にはない「一点物」としての文脈を勝ち取るのだ。匿名で売買できるプラットフォームの特性も相まって、個人間での怪しい古物のやり取りは静かなブームから一種の巨大マーケットへと変貌を遂げた。