他責思考があまりにも極端で、どれほど客観的な証拠を提示しても絶対に非を認めず、逆に激しい怒り(自己愛憤怒)で逆上してくる場合、単なる「性格の悪さ」の域を超えて精神医学的な背景が関係している可能性も考慮しなければなりません。
特に深く関連するのが自己愛性パーソナリティ障害です。この障害を抱える人は、肥大化した自己イメージと現実の無力さのギャップに耐えられず、他者を徹底的に見下して自己の優位性を保とうとします。ミスを指摘されると「侮辱された」と曲解し、加害者でありながら「自分こそが不当な扱いを受けた被害者だ」と主張する特有の認知パターンを示します。
また、注意欠如・多動症(ADHD)などの発達特性を持つ人が、幼少期から「なぜできないのか」と一方的に叱責され続けた結果、二次障害として強い防衛機制や他責的な態度を身につけてしまうケースもあります。日常会話が成立せず、事実の歪曲や他者への攻撃が常態化している場合は、個人の説得で解決しようとせず、産業医や精神科医といった専門機関の介入を視野に入れる必要があります。