演技派としての評価を決定づけたのが、日本アカデミー賞協会をはじめとする名だたる映画賞の数々だ。日常の綻びから横領事件へと堕ちていく銀行員の心理をスリリングに演じきった『紙の月』(2014年)では、最優秀主演女優賞を受賞し観客を圧倒した。
さらに、余命わずかな母が家族の絆を再生させていく至極のヒューマンドラマ『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)では、鬼気迫る熱演で日本中を涙で包み、再び最優秀主演女優賞の栄冠に輝いた。また、重厚なテーマに切り込んだ問題作『月』(2026年)における魂を削るような演技も記憶に新しい。彼女が選ぶ作品群は常に人間の深淵を見つめ、観る者の心を揺さぶり続けている。