観客が息をのむ大迫力の破壊シーン。その舞台裏では、緻密に計算されたプロの小道具技術が炸裂している。ステージ演出や撮影で使われる「破壊用ギター」の秘密とは一体何なのだろうか。
最新のダミー構造は、一見すると重厚な本物のエレキギターと見分けがつかない。しかし、その内部にはあらかじめクラック(亀裂)が刻まれ、最小限の力で美しく破片が飛び散る「プリカット構造」が採用されている。さらに、演者やスタッフの眼球を傷つけないよう、飛び散るパーツには軽量なバルサ材や低濃度の合成樹脂、さらには安全対策が施された特殊加工素材が使われているのだ。
弦の張力によって予期せぬ弾け方をしないよう、テンションコントロール用のダミー構造も内部に組み込まれている。激しいパフォーマンスの最中でも、意図したタイミングと角度で綺麗に破裂させる。これこそが、映像制作やライブ空間を支える最新プロップエンジニアリングの真骨頂である。