「ジャンプ力を伸ばす筋トレといえばスクワット」という認識は広く浸透しています。確かに下半身の最大筋力を底上げする基礎としてスクワットは極めて優秀な種目です。しかし、どれだけ重いバーベルを担げるようになっても、実際の跳躍高にそのまま直結しないという壁に直面する選手が後を絶ちません。
ジャンプ力がつかない最大の理由は、「筋力(力)」と「パワー(力×速度)」の混同にあります。重い重量をゆっくり持ち上げる筋力と、わずか0.2秒前後の踏み切り動作の中で一瞬にして床へ力を伝える「力発揮率(RFD=Rate of Force Development)」は、脳と神経系の使い方が全く異なります。スクワット単体で筋肥大を起こしても、その力を高速で発揮するトレーニングを併用しなければ、単に身体が重くなっただけで跳べないという事態に陥るわけです。
さらに見落とされがちなのが、足関節・膝関節・股関節の3つを同時に連動させて爆発させる「トリプルエクステンション」の技術と、腱に蓄えられた弾性エネルギーの利用です。力任せに床を押すのではなく、バネのようにしなやかな身体の連動を作ることが、垂直跳びの記録を伸ばす絶対条件となります。