全米屈指のパパラッチ網をもってしても、彼女の決定的なプライベートショットが流出することはなかった。現在も生活の拠点を置くニューヨークにおいて、夫妻が選択したのは驚くほど地に足の着いた日常である。マンハッタンや近郊の落ち着いた住宅街で、地元のオーガニックスーパーへ足を運び、近隣住民とも気取らない挨拶を交わす。そこにはメガスタジアムの喧騒とは無縁の、穏やかな時間が流れている。
知人が語る彼女の人物像は、夫の威光に頼る影のような存在とは大きく異なる。自立した大人の知性を備え、英語でのコミュニケーションも淀みなくこなす凛とした女性だ。何より、松井が現場での指導や重責に追われる日々の中で、彼を「世界のスーパースター」としてではなく「一人の人間・夫」として迎え入れる。家庭内に勝敗の緊張感や世間のプレッシャーを一切持ち込ませない徹底した空気作りこそが、彼女が築き上げた最大の防壁だった。