愛知県の山奥、電波すら途切れがちな深い緑の中で、彼は今も生活の根幹を手作業で築き上げている。湧き水を汲み、薪を割り、畑を耕す。便利さと引き換えに人間が失ってしまった「生の実感」を取り戻す試みだ。自ら立ち上げたブランド「ARATAM」を通じて衣類や道具を制作しながら、自然のサイクルに身を委ねる日々を送っている。
2026年現在、彼の暮らしは単なる趣味の領域を完全に超えている。手作りのセルフビルドによる住居や、四季の移ろいにあわせた食材の調達など、妥協のないライフスタイルがそこにはある。近年の映像作品で流行しているライフスタイル・ドキュメンタリーのどんな主人公よりも、その生き様はリアルで、観る者の胸を打つ。商業的な成功や他者からの評価から解放された彼の表情には、かつてない静けさと深みが宿っている。