テレビのバラエティ番組で度々特集される松本明子の節約術は、一般的な家計管理の枠組みを遥かに凌駕する徹底ぶりで知られています。ネット上や視聴者の間で「驚愕」「もはや職人芸」と語り継がれるその日常は、日用品を文字通り繊維の1本、水滴の1滴まで使い切る執念に貫かれています。
彼女の代名詞とも言えるのが「ストッキングの再利用」です。破れたり伝線したストッキングは決してそのままゴミ箱へ行きません。針金ハンガーに被せて静電気を利用した隙間用ハタキへと再生させ、家具の隙間やエアコンのホコリを根こそぎ吸着。その後は丸めてお風呂や洗面台の水垢取りに使い、最終的には小さくカットして排水口のゴミ受けネットや靴磨きクロスとして昇華させます。「役目を終えるまで最低4段階は使い倒す」という徹底したフローが確立されているのです。
食生活における再利用も徹底しています。煎じ終わったお茶がらは天日干しにして乾燥させ、フライパンで乾煎りして自家製ふりかけや佃煮へ再加工。湿気取りや靴の消臭剤としても活用されます。さらに、調理時に出た野菜のヘタや皮はベランダで乾燥させて出汁(ベジブロス)を取り、煮汁も残さずカレーやスープのベースに回すなど、生ゴミの排出量を極限まで減らす生活を何十年も続けています。
日常の消耗品に関しても、小さくなった石鹸は複数集めて水で濡らし、電子レンジで数秒加熱してひとつの大きな石鹸に圧着再生。使い終わったレシートや台本、チラシの裏面はすべてクリップで留めてメモ帳にし、下着や靴下に穴が開けば何度も繕って着用し続けます。家族や共演者から「生地が透けて向こう側が見えている」と突っ込まれる場面もテレビで話題となりましたが、本人にとってこれらは我慢ではなく、日常に完全に溶け込んだルーティンなのです。