近年の精神医学や神経科学の分野では、ソーシャルメディアの過剰利用とうつ病リスクの関連性を裏付けるエビデンスが次々と発表されています。ソーシャルメディアとうつ病に関する最新研究によれば、1日の利用時間が3時間を超えるユーザーは、1時間未満のユーザーと比較して抑うつ傾向や不安障害を発症するリスクが約2.2倍に跳ね上がることが明らかになりました。
研究者が特に警鐘を鳴らしているのは、「受動的スクロール(Passive Scrolling)」と呼ばれる利用形態です。自分から能動的にメッセージをやり取りするのではなく、他人の投稿をただ延々と眺め続ける行為は、脳の前頭前野の機能を低下させ、ネガティブな反芻思考(物事を悲観的にぐるぐると考え続ける状態)を誘発します。
また、深夜のブラウジングによるブルーライトの曝露と感情の乱れは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を著しく妨げます。睡眠の質の低下とうつ症状は双方向で悪化し合うため、夜間のSNS利用が引き金となって自律神経が乱れ、本格的な精神疾患の引き金になるメカニズムが解明されつつあります。