旅の起点は上野駅13.5番線。かつて寝台列車が発着した歴史あるホームの片隅に、専用ラウンジ「プロローグ四季島」が佇む。チェックインの手続きを終えた乗客は、ウェルカムドリンクを味わいながら出発の瞬間を静かに待つ。喧騒に満ちたターミナル駅の中に忽然と現れる隠れ家のような空間は、これから始まる特別な旅への期待感を高めてくれる。
クルーたちの細やかな気配りも特筆に値する。過度な干渉を避けつつ、乗客のグラスの減り具合や好みの温度感、視線の動きを先回りして察知するプロの所作。車内ラウンジ「こもれび」で夜更けにピアノの生演奏を聴きながら味わう銘酒の一杯は、移動そのものが最上の目的地であることを雄弁に物語る。