水谷豊の名を日本中に轟かせた最大の転機が、1974年に放送された伝説的ドラマ『傷だらけの天使』である。破天荒な兄貴分・木暮修(萩原健一)を「アニキ!」と慕う弟分・乾亨(アキラ)役を演じた水谷の存在感は、まさに衝撃的だった。
リーゼントヘアにスカジャン、そして独特の甲高い声で叫ぶ「ア〜ニキ〜!」というフレーズ。萩原健一との即興に近い生々しい掛け合いは、当時の若者たちの心を掴んで離さなかった。不器用で、悲壮感を漂わせながらも健気に生きるアキラの最期は、日本のテレビドラマ史に残る屈指の名シーンとして、今なお多くの語り草となっている。