「茶色くなっている部分だけナイフで削り取れば、残りは食べられるのでは」と考えがちだ。しかし、フードサイエンスの専門家や農林水産省の啓発情報でも注意喚起されている通り、この判断はきわめて危険である。
目に見える茶色い斑点やカビの胞子は、いわば氷山の一角に過ぎない。菌類はパンの柔らかい内部に向けて肉眼では見えない「菌糸」を網の目のように張り巡らせている。表面の変色部を切り取ったとしても、パン全体の奥深くまで菌糸と代謝産物が浸透している可能性が高いのだ。微量でも体調不良を引き起こす恐れがあるため、一部でも腐敗の兆候があれば一袋すべてを廃棄することが推奨される。