田崎氏に対する最大の誤解は、「彼自身の個人的な政治思想がそのまま番組で語られている」と捉えてしまう点にあります。
長年田崎氏を取材してきたメディア関係者はこう指摘します。「田崎氏は、自らの主義主張を世の中に広めようとするオピニオン論説委員ではありません。彼の本質は徹底した『情勢解説者(シチュエーション・アナリスト)』です。彼がスタジオで『総理はこう考えています』と言うとき、それは彼自身がその政策を正しいと思っているのではなく、『総理本人や官邸幹部が実際にそう発言していた』という取材結果を報告しているに過ぎません」。
視聴者が「解説(政治家側の論理の提示)」と「主張(ジャーナリスト自身の賛否)」を混同してしまうことで、ネット上の反発が過熱する構図が生まれています。田崎氏自身も過去のインタビューや手記において、「政治家がどう動くかを予測し伝えるのが私の仕事であり、善悪の審判を下すのは有権者である視聴者だ」という趣旨の姿勢を一貫して示しています。
この「取材対象の論理に深く潜り込み、そのままアウトプットする」手法は、政治報道において最も情報鮮度が高い反面、取材対象に取り込まれているように映るという諸刃の剣を常に抱えています。