1961年1月20日、氷点下のワシントンD.C.で行われたジョン・F・ケネディの就任演説は、20世紀最高の政治演説の一つとして歴史に刻まれています。新世代のリーダーとして壇上に立ったケネディが放った一節は、今も民主主義の本質を突く言葉として語り継がれています。
「And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you — ask what you can do for your country.」
(アメリカ国民の皆さん、国があなたのために何をしてくれるかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてください)
この言葉に続く「世界中の市民の皆さん、アメリカがあなたのために何をするかではなく、人類の自由のために共に何ができるかを問い合おう」という呼びかけは、国家への盲従を求めたものではありません。冷戦の緊張と人権問題が渦巻く時代にあって、ケネディは「傍観者でいることをやめ、一人ひとりが歴史の当事者として未来を創るべきだ」という強烈なメッセージを投げかけたのです。
演説ライターのテッド・ソレンセンとともに磨き上げられた演説全文は、対立ではなく連帯を、保身ではなく行動を促す修辞法に満ちており、世代交代の幕開けを高らかに告げました。