坂東三津五郎の魅力は、舞台の上だけに留まらなかった。テレビドラマや映画といった映像メディアにおいても、その確かな演技力と独特の存在感で一花を咲かせた。特にNHKの大河ドラマ『功名が辻』で見せた重厚な演技は、時代劇ファンから絶大な支持を獲得した。
また、山田洋次監督の映画『武士の一分』では、主人公の対立役となる剣豪を見事に演じ切り、日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。伝統芸能で培われた立ち振る舞いと一分の隙もない刀さばきは、画面を通して見る者を息をのませた。歌舞伎俳優としての矜持を保ちつつ、映像の世界でも第一線で活躍した姿は、後進にとっても大きな目標となっている。