揚げたてのポテトチップスを、その日のうちに発送する。菊水堂が掲げる「できたて出荷」のモデルは、従来の食品流通の常識を鮮やかに覆した。
通常、スナック菓子は工場で製造された後、巨大倉庫を経由し、卸業者や店舗の棚を経て消費者の手に渡る。その過程で数週間から数ヶ月のタイムラグが生じるのは避けられない。しかし、油で揚げた食品にとって時間経過は最大の敵だ。時間が経つにつれて油の酸化が進み、本来の風味が少しずつ損なわれていくからだ。
菊水堂はこのタイムラグを徹底的に削ぎ落とした。工場で黄金色に揚がったチップスは、冷まされた直後に袋詰めされ、その日のうちに配送トラックへと積み込まれる。早ければ翌日、遅くとも翌々日には全国の家庭へ届く。パッケージを開けた瞬間に立ち上る鮮烈な香りは、まさに工場見学でしか味わえなかった「揚げたて」そのものだ。