1980年代前半の芸能界に投じられた一石は、まさに青天の霹靂でした。1984年、写真週刊誌や女性セブンなどの週刊誌メディアが一斉に書き立てたのが、山本陽子さんと沖田浩之さんの熱愛スクープです。当時の山本陽子さんは42歳、日本を代表する看板女優として確固たる地位を築いていました。一方の沖田浩之さんは21歳、原宿の竹の子族から彗星のごとく現れ、若手俳優として飛ぶ鳥を落とす勢いを誇っていたトップアイドルです。
当時、芸能界における「親子の年齢差」に近い21歳のジェネレーションギャップは極めて異例であり、ワイドショーは連日この話題を取り上げました。取材陣が連日張り込むなか、都内の高級マンションを行き交う姿や、隠れ家レストランでの親密なデート現場が次々と目撃されました。単なる先輩後輩の関係とは言い難い親密な距離感に、世間は驚きを隠せませんでした。
当時の報道経緯を検証すると、世間の反応は決して祝福一色ではありませんでした。「大女優が若手をたぶらかしている」「売名行為ではないか」といった心ない中傷や、昭和的なジェンダー観に基づく強い偏見が向けられました。しかし、過熱するパパラッチの追跡に対して二人は毅然とした態度を貫き、一切の言い訳を口にすることはありませんでした。その沈黙こそが、二人の間に通底していた絆の深さを物語っていたのです。