主人公フリーレンを演じた種﨑敦美さんは、オーディションの段階から「感情の起伏を表に出しすぎず、それでいて冷酷に見えない絶妙なバランス」を徹底的に追求したと語っています。千年以上を生きるエルフにとって、人間の喜怒哀楽は時に理解しがたく、時に愛おしいもの。無感情な機械のような声ではなく、「積み重ねてきた年月の重みと、心の奥にあるかすかな温もり」を宿らせる演技は、原作者やスタッフからも絶賛されました。
一方、勇者ヒンメルを演じた岡本信彦さんの配役も、物語の説得力を決定づけた要素の一つです。ヒンメルはナルシストで軽薄に見える一面を持ちながら、誰よりも優しく高潔な英雄という多面的なキャラクター。岡本さんは「単なる格好つけに見えないよう、言葉の端々に本物の誠実さを込める」ことを意識し、フリーレンが後悔し旅に出る動機としての輝きを見事に表現しました。
また、旅の仲間であるフェルン役の市ノ瀬加那さんは、幼少期から青年期への成長に伴う声のトーンの変化や、フリーレンに対する保護者のような小言をナチュラルに好演。シュタルク役の小林千晃さんは、圧倒的な実力を持ちながらも臆病で等身大な少年の人間味をコミカルかつ熱量たっぷりに演じ分け、視聴者の深い共感を呼びました。