毎年、日本高野連が発表する「部員数統計および進路状況調査」によると、硬式野球部に所属する高校3年生の進路は明確なピラミッド構造を形成しています。全国で約4万人いる3年生球児のうち、最も大きな受け皿となっているのが大学進学(約62〜65%)です。次いで専門学校進学・一般就職が約30%を占め、NPB(日本プロ野球)へ直接進む選手は毎年わずか60〜80人程度(全体の0.1〜0.2%未満)に過ぎません。
甲子園注目選手の進路動向は、一般に大会期間中の活躍で決まると思われがちですが、実態は大きく異なります。強豪校の主力選手の場合、高校2年の秋季大会終了時点から大学のスカウトや社会人チームの採用担当者が視察を開始しており、高校3年の春の公式戦終了前後(5月〜6月)には有力大学のスポーツ推薦や練習会(セレクション)の内定枠が水面下でほぼ埋まります。
夏の甲子園で突然ブレイクした選手が急きょプロ志望届を提出したり、名門大学の追加選考枠に滑り込んだりするケースはごく一部の例外です。現場の指導者によると、選手の進路希望調査は高校2年の冬に本格化し、学業成績(評定平均)、家庭の経済状況、そして本人のプレースタイルと将来のプロ志向の有無を照らし合わせながら、監督と保護者、スカウトの三者間で緻密なすり合わせが行われています。