かつて口承文学として街角の噂話を中心に広まっていた都市伝説は、インターネットの黎明期を経て決定的な変容を遂げた。その最大の転換点となったのが、匿名掲示板の「5ちゃんねる」である。無数の名もなき書き手たちが短文のストーリーを投稿し、読者がその違和感を指摘し合う文化が定着したことで、怪談のフォーマットそのものが再構築された。
視覚的なグロテスクさや過度な驚かしに頼らず、テキストのロジックだけでゾッとさせる構造。それこそが現代怪談と呼ばれる新しいカテゴリーの誕生であった。語り手が隠した小さな矛盾を見つけ出し、コメント欄で真相が語られる過程自体が、ライブ感のあるアトラクションへと進化したのである。