日産自動車が提出した直近の有価証券報告書の日産役員報酬の開示データを紐解くと、代表執行役社長兼CEOである内田誠氏の年間役員報酬総額は6億5,700万円(基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬としての株式報酬等の合算)を記録しています。
日本の企業役員報酬としてはトップクラスの数字ですが、その内訳は単なる固定給ではありません。日産の報酬体系は、以下の3つの要素で構成されています。
1つ目が月額で支給される「固定基本報酬」、2つ目が単年度の営業利益やフリーキャッシュフローの達成度に応じる「短期業績連動報酬(賞与)」、そして3つ目が中長期的な企業価値向上や株価に連動する「長期インセンティブ(譲渡制限付株式など)」です。好業績時には報酬が大きく跳ね上がる一方、業績低迷期には直撃を受ける仕組みが敷かれています。
ここで多くの読者が気になるのが日産社長の手取り額です。日本国内の税制において、年間数億円規模の給与・役員報酬には最高税率(所得税45%+住民税10%=計55%)が適用されます。各種社会保険料の上限負担や控除を差し引いた実効税率は約50〜53%前後に達するため、年収6億5,000万円の場合の手取り額はおよそ2億9,000万〜3億1,000万円程度と試算されます。
さらに、後述する役員報酬の自主返上措置が実行された期間においては、手取り額が1億5,000万円前後まで圧縮される計算となります。