この空前のブームを語る上で欠かせないのが、SNSを通じて圧倒的な共感を集めた個人イラストレーターたちの存在だ。中でも若者たちのバイブルとして爆発的な支持を得ているのが「チェゴシム (Choi Go-sim)」である。粗いクレヨンタッチのような素朴な線と、カラフルな色彩で描かれるキャラクターたちは、一見すると非常にシンプルだ。しかし、そこに添えられた「今日もよく生きた」「私は最高」といったストレートな自己肯定のメッセージが、ストレスの多い現代社会を生きる若者の心に深く刺さっている。
彼らの作品はInstagramをはじめとするプラットフォームで瞬く間に拡散され、若者たちが自分の感情を表現するためのアイコンとして定着した。個人の創作から始まったデザインが、単なるキャラクターを超えて洗練されたグラフィックイラストレーションとして認知され、さらには現代のポップアートとしての価値まで獲得しつつある。SNSというデジタル空間が、新世代のアートとファンをダイレクトにつなぐ巨大なギャラリーとして機能しているのだ。