自社や転職候補先の勤続年数が全国平均を超えているかどうかは、単なる数字の比較以上の意味を持つ。勤続年数が極端に短い組織では、劣悪な労働環境や評価制度への不満が慢性化している恐れがある一方で、あまりに長すぎる組織では変化を拒む風土や若手の抜擢が進まない硬直化が懸念されるからだ。
企業の健康状態を見極めるにあたっては、厚生労働省の「就労条件総合調査プロジェクト」が提示する各種データをベンチマークにしつつ、社内における「人事労務管理」の質を厳しくチェックする必要がある。有給消化率の実情、残業時間の推移、そして中途採用者の定着率という3点こそが、表面的な勤続年数の裏に隠された真の「働きやすさ」をあぶり出すリトマス試験紙となる。