日本の国旗における赤丸は、文字通り「天空に昇る太陽」の象徴です。日本列島はユーラシア大陸の東端に位置し、古代より「太陽が昇る東の国」として認識されてきました。『日本書紀』や『古事記』に描かれる天照大神(あまてらすおおみかみ)の神話にも見られるように、日本人の精神文化の根底には太陽を万物の生命の源として崇める太陽信仰が存在します。
一方で、色彩の組み合わせである「赤と白」にも深い思想的背景があります。日本には古くから「ハレ(非日常・祝祭)」と「ケ(日常)」を分ける文化があり、めでたい席で用いられる「紅白」の配色は吉兆や祝いを意味してきました。民俗学的な観点において、白は「清浄・潔白・純真」、赤は「魔除け・生命力・活力」を表します。
近代以降の国際的な解説においては、白が「純潔と平和」、赤が「博愛と熱誠」を象徴すると解釈されるケースも定着しました。伝統的な神道・農耕民族の死生観と、明治以降の近代国家としての理念が見事な調和を保ちながら、現在の意匠へと結実しています。