数字の上では華々しい7万人動員のメガスタジアムですが、実際にチケットを手にして現地に足を運ぶ観客の体験は決して快適なものばかりではありません。客席の後方スタンド席や天井席に配置されたファンからは、SNSやコミュニティサイト上で赤裸々な現場の証言が多数投稿されています。
「スタンド上段から見ると、ステージ上の推しは肉眼では米粒どころか点にしか見えない」「双眼鏡を覗き続けて首が痛くなり、結局巨大モニターしか見ていなかった」という視覚的な限界は日常茶飯事です。さらに深刻なのが音響問題です。開放的な野外スタジアムでは風向きによってボーカルが流され、客席の構造上、スピーカーから放たれた音が数十メートル離れたスタンド壁面に跳ね返って「コンマ数秒遅れて音が二重に聞こえる(ディレイ現象)」に悩まされるエリアも少なくありません。
さらに参加者が最も過酷な試練として挙げるのが、終演後の「規制退場」です。7万人もの群衆が一斉に最寄り駅へ押し寄せれば重大な群集事故につながるため、ブロックごとに順番に退場を誘導する厳格な管理が敷かれます。アリーナ中央部や後方上段の席にいた場合、終演コールから会場の外に出るまでに1時間半から2時間を要し、「新幹線の終電を逃した」「最寄りの小机駅や新横浜駅まで大名行列のような牛歩で進むしかなかった」という過酷なエピソードは枚挙にいとまがありません。
それでもなおファンがスタジアムに熱狂するのは、夜空に打ち上がる特殊効果の花火、客席を埋め尽くす7万本のペンライトの光、そして地鳴りのようなシンガロングが一体となった瞬間、劇場やホールでは絶対に味わえない「歴史的な祝祭空間」に立ち会えるからです。