かつて日本映画界には「ローカル市場向けコンテンツで十分に利益が出る」という甘えが存在した。しかし、アイアトン氏が導いたアプローチは全く異なっていた。ハリウッドメジャーのスタジオ構造を活かしつつ、日本固有のIP(知的財産)を圧倒的なスケール感で映像化するスタイルだ。
その象徴が『デスノート』であり、それに続く『るろうに剣心』シリーズだった。特に大友啓史監督を抜擢して挑んだ後者は、泥臭くも精緻な殺陣とダイナミックなカメラワークを融合させ、邦画アクションの到達点を一気に引き上げた。本格的な世界配給網に乗せることで、単なる国内の娯楽作品から「世界で通用するシネマティック体験」へと昇華させた功績は極めて大きい。