音楽理論の観点からも、『あなた』は極めて洗練された構造を持っています。楽曲の根底を支えるのは、クリス・デイヴ(Chris Dave)の生々しくも柔らかなドラムス、ジョディ・ミリナー(Jodi Milliner)のうねるベース、そしてルーベン・ジェイムズ(Reuben James)による温もりあふれるピアノです。
J-POP特有のキャッチーなメロディラインを保ちながら、ジャズやソウル、ゴスペル由来のテンションコードや分数コードを巧みに配置。サビに向かって感情が溢れ出すようなコード進行と、重厚なブラスセクションのクレッシェンドが、聴く者の感情を高揚させます。緻密に計算された音響空間が、言葉の持つ熱量を何倍にも増幅させているのです。