今回の再ブームの直接的な火種となったのは、やはりSNSだ。あるインフルエンサーが投稿した、夜の街並みを背景にこの曲を弾き語りする15秒の動画。それが瞬く間に拡散され、数百万回再生を記録した。そこから「この原曲は誰?」「歌詞の全貌を知りたい」という検索の連鎖が始まった。
ファストコンテンツが溢れるTikTokにおいて、あえて「立ち止まらせる」力を持ったこの曲は異質だった。言葉を詰め込んだラップや、ダンス向けのアップテンポな曲に疲れた耳に、手嶌の紡ぐ一音一音が新鮮な衝撃として受け止められたのだ。トレンドは巡るというが、本物の名曲が持つ普遍性は、プラットフォームの壁を容易に超えていく。