小池さんが初登場を果たした代表作といえば、言わずと知れた『オバケのQ太郎』である。居候のQ太郎が起こすドタバタ劇の傍らで、静かに麺をすすり続ける姿は読者の心に強烈なインパクトを残した。だが、この男の快進撃はそこにとどまらなかった。
小学館の学年別学習雑誌を中心に連載された『ドラえもん』をはじめ、藤子作品のほぼ全てに「小池さん」はフラリと現れる。本来、異なる世界観や設定を持つ作品同士で同一の脇役が登場し続ける例は、当時の出版業界でも極めて異例だった。藤子両雄による遊び心と、読者をニヤリとさせる演出術が、作品群をひとつの壮大な宇宙へと統合していった。