麻酔事故を防ぎ、安全に歯石除去を完遂するための防波堤となるのが「術前検査」です。見かけ上は元気であっても、体内で進行している疾患を事前にあぶり出すことで、麻酔薬の選定や投与量の細やかな調整が可能になります。
安全性を担保するために推奨される主な検査項目と費用の目安は以下の通りです。
1. 血液検査(生化学検査・血球計算・凝固系検査)
肝臓・腎臓の代謝機能や貧血の有無、出血が止まりやすいかを確認します。費用相場は8,000円〜15,000円程度です。
2. 胸部・腹部レントゲン検査
心臓の拡大度合いや肺の状態、気道の変形、腫瘍の有無を可視化します。費用相場は5,000円〜10,000円程度です。
3. 心エコー(超音波)検査
小型犬に多い弁膜症や心機能の低下を早期に特定します。特にシニア犬では必須とされます。費用相場は5,000円〜10,000円程度です。
術前検査全体の費用はおおむね15,000円〜30,000円程度が標準的です。費用を抑えるために検査項目を削ることは、潜在的な麻酔リスクを抱えたまま手術台に乗せることと同義であるため、徹底した検査体制を受け入れる姿勢が求められます。