冬の冷気が残る地方都市でのロケーション撮影中、二人の役作りに対する姿勢は鬼気迫るものがあった。清水は役作りのため、撮影開始の1か月前から現場周辺の街を一人で歩き回り、役に刻まれた「人生の疲労感」を体内に染み込ませたという。衣装のシワひとつ、タバコの吸い殻の投げ捨て方にまでこだわり抜く姿は、職人そのものだった。
対する山下も、記者としての所作やメモの取り方を徹底的に研究。現役の新聞記者に取材を重ね、ペンを握る指先やPCを叩くブラインドタッチの音にまでリアリティを追求した。現場関係者は「カメラが回っていない時間でも、二人の間には役柄そのままのピンと張り詰めた空気が漂っていた」と振り返る。