終戦後、米軍に接収された伊400と姉妹艦の伊401は、真珠湾(ハワイ)へと回航されました。米海軍の技術将校たちは、その巨大な船体設計、特殊な二重耐圧殻、シュノーケル装置、無反射塗料(ステルスコーティングの前身技術)などを徹底的に調査・分析しました。
しかし1946年5月31日、米軍は突如として伊400をハワイ・オアフ島沖の海底深くへと魚雷で自沈処分します。この電撃的な処分の背景にあったのが、急速に緊迫化していた冷戦構造とソビエト連邦の存在です。
当時、四カ国共同管理協定に基づきソ連側調査団が伊400の検分を強く要求していました。革新的な潜水艦技術がソ連の手に渡ることを極度に恐れた米軍上層部は、調査が終わるやいなや証拠を隠蔽するかのように秘密裏に海底へ沈没させたのです。長年「失われた巨大潜水艦」として伝説化していましたが、2013年8月にハワイ大学の研究チームが水深約700m地点で船体を特定し、約70年ぶりにその姿を白日の下に晒しました。