医学的に見れば、81歳での妊娠・出産は「あり得ない」領域の話だ。通常、女性の生殖能力は50代前後で閉経を迎えるとともに終止符を打つ。今回のケースは、母体への凄まじい負担を考慮すると、奇跡というよりは極めて綱渡りな医療介入の結果と言わざるを得ない。産科医の間でも、母体死亡のリスクや合併症の懸念から、今回の出産を疑問視する声が噴出している。
「無事に生まれたから良かったものの、一歩間違えれば命はなかった」。ある現役の産婦人科医は、匿名を条件にそう本音を漏らした。妊娠高血圧症候群や脳出血など、高齢になればなるほど血管や臓器にかかる負荷は跳ね上がる。この決断を支持する声は、医療現場では決して多くない。