映画『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープが怪演したミランダ・プリーストリーのモデルは、アメリカ版『VOGUE』の編集長を長年務めるファッション界の女帝、アナ・ウィンターです。ボブカットとサングラスをトレードマークとし、業界で絶大な権力を持つ彼女のカリスマ性と徹底した完璧主義が、ミランダのキャラクター造形に色濃く反映されています。
一方、アン・ハサウェイが演じた主人公アンドレア(アンディ)・サックスのモデルとなったのは、原作者であるローレン・ワイズバーガー自身です。彼女は名門コーネル大学を卒業後、米『VOGUE』でアナ・ウィンターのパーソナル・アシスタント(ジュニア・アシスタント)として約10カ月間勤務しました。その激務の日々と強烈な実体験をもとに執筆されたのが、原作小説『The Devil Wears Prada』です。
理不尽とも思える指令の数々や、ファッションに無頓着だった新人が業界の荒波に揉まれていくプロセスは、原作者が現場で目の当たりにしたリアルな空気が下敷きになっています。