事件の波紋は、スタジアムに通い詰めていた数万人の一般サポーターを深い失望と混乱に突き落としました。熱心にチームを後押ししてきたファンからは、「一部の愚行によってクラブの誇りが泥を塗られた」「なぜスタジアム内ですぐに止められなかったのか」という怒りと自省の声が噴出しました。
浦和レッズのスタンドは、長年にわたり圧倒的な声量とビジュアルサポートで知られていた反面、過去にも他クラブのサポーターとの小競り合いや威嚇行為、移動バスの取り囲みといった歴代トラブルが幾度となく報じられてきました。サポーターの間に「自分たちこそが浦和を動かしている」という特権意識や閉鎖性が醸成されていたことも、背景として指摘されています。
無観客試合以降、ゴール裏から一切のビジュアルツールが消え去った埼玉スタジアムでは、応援スタイルの再定義を巡ってサポーター同士の激しい議論が交わされました。「赤と白と黒の旗がないスタジアムは浦和ではない」と喪失感を訴える声がある一方、「コンプライアンスを軽視した応援文化は二度と許されない」という意識改革の機運が高まり、自浄作用を求める動きが本格化していきました。