インターネット上のコミュニティやSNS、Q&Aサイトの投稿を分析すると、無水エタノールと消毒用エタノールの特性を混同したことによる失敗やトラブルが後を絶ちません。実際の現場で報告されている代表的な失敗パターンを検証します。
「感染症が流行した際、売り切れていた消毒用エタノールの代わりに無水エタノールをそのまま手肌に吹きかけたら、激痛とともに皮膚が真っ白になり、ひどい手荒れを起こした」という声は非常に多く見られます。無水エタノールは皮脂や水分を猛烈な勢いで奪い去るため、原液のまま皮膚に塗布すると皮膚のバリア機能が瞬時に破壊され、深刻な接触皮膚炎やひび割れを引き起こします。
一方で、家電・ガジェット愛好家の間では逆のトラブルが起きています。「ゲーム機のコントローラーやパソコンのキーボードを消毒しようとして、消毒用エタノールを直接吹きかけたら内部でショートして故障した」という事例です。消毒用エタノールには約20%の水分が含まれているため、内部に液体が侵入すると通電不良や基板の腐食を招きます。機器の隙間や端子部分には、水分を一切残さず即座に蒸発する無水エタノールを使うのが鉄則です。
また、自作のアロマスプレーやハッカ油スプレーを作るユーザーの間では、「ポリスチレン(PS)製の容器を使ってしまい、底が溶けて液体が漏れ出した」というアクシデントも報告されています。高濃度アルコールを扱う際は、液体の性質だけでなく容器の耐薬品性にも細心の注意が必要です。