平均勤続年数は、所属する業界のビジネスモデルや労働環境によって劇的な違いが生じます。業界別の相場を理解せずに企業の数字だけを比較すると、実態を見誤るリスクが高まります。
代表的な対比となるのがIT業界と製造業です。ソフトウェア開発やWebサービスを展開するIT業界の平均勤続年数は約6〜8年と短めの水準にとどまります。これは労働環境の良し悪し以前に、エンジニアやマーケターがスキルアップや年収増を目的に数年単位で会社を移籍する「キャリアの流動性の高さ」が主因です。
対照的に、重厚長大なインフラや大手メーカーが占める製造業では、平均勤続年数が15年〜18年以上に達する企業が珍しくありません。長期雇用を前提とした技能伝承システムや手厚い福利厚生が整備されており、雇用の定着率が極めて高い構造を持っています。
金融・保険業やインフラ(電気・ガス)業界も15年前後と長い傾向にある一方、飲食・宿泊業やサービス業、スタートアップ界隈は5年前後にとどまるケースが目立ちます。企業を評価する際は、必ず「同業他社の平均値」と比較して長短を測る姿勢が求められます。