平井堅のパフォーマンスを観察すると、マイクの持ち方にも顕著な特徴が見られます。一般的なボーカリストのようにマイクのボディ中央を握るのではなく、グリルのすぐ下、あるいはカプセル近くを親指と人差し指で包み込むように固定して歌う場面が多く見受けられます。
この持ち方を採用することで、顔の向きを激しく変えたり感情を込めて身振りを交えたりしても、「口とマイクの距離・角度」を常に1ミリの狂いもなく一定に保つことができます。マイクとの距離がブレてしまうと音量や音質がリアルタイムで変化してしまいますが、平井堅はマイクを自身の唇に軽く当てることで基準点を固定し、繊細なファルセット(裏声)から爆発的なベルトボイスまで、均一で完璧なダイナミクスをコントロールしているのです。