俳人・金子兜太の代表作と波乱の生涯|戦場体験から前衛俳句の頂点へ

俳人・金子兜太の代表作と波乱の生涯|戦場体験から前衛俳句の頂点へ

俳人・金子兜太の代表作と波乱の生涯|戦場体験から前衛俳句の頂点への要点や背景を丁寧にまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

金子兜太が遺した膨大な作品群の中から、絶対に知っておくべき決定的な代表作をピックアップし、その背景と深層心理を解き明かします。

■ 梅咲いて庭中に青鮫が来ている(うめさいて にわじゅうにあおざめが きている)
1955年発表。兜太の前衛俳句を象徴する不朽の名句です。春の訪れを告げる穏やかな白梅の庭に、本来いるはずのない獰猛な「青鮫」が群れをなして泳ぎ回る。日常の安寧のすぐ裏側に潜む戦場の悪夢、暴力の気配、あるいは人間の不条理な不安をシュルレアリスムの手法で見事に定着させています。

■ 曼珠沙華どれも腹出し秩父の子(まんじゅしゃげ どれもはらだし ちちぶのこ)
鮮烈な赤を放つ彼岸花の咲き乱れる中、野山を駆け回る秩父の子供たち。着物をはだけて腹を出した無邪気で野性味あふれる姿に、生命そのものの力強さと、自身のルーツである秩父への深い愛着が刻み込まれています。

■ 彎曲し火傷し爆心地のマラソン(わんきょくし やけどし ばくしんちの まらそん)
原爆投下から立ち直ろうとする被爆地・広島を訪れた際に詠まれた一句。肉体と都市が受けた壊滅的な傷跡を抱えながらも、それでも前を向いて走り続ける人間の執念と生命の鼓動を、乾いたリズムで描き出しています。

■ 霧の村 椋鳥(むくどり)を撃つ 銃身紅く
濃霧に包まれた秩父の寒村で、害鳥駆除のために撃ち鳴らされる猟銃。放たれた銃身の熱と赤さが、冷涼な霧の中で生と死の境界を一瞬にして浮かび上がらせます。

阿部 裕樹
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阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。