過去に報じられたグリストラップ死亡事故のニュースを振り返ると、共通する悲劇のパターンが浮かび上がります。専門技術を持つはずのグリストラップ清掃業者の死亡事例から、日常清掃を行っていた店舗アルバイトスタッフの被災まで、規模や業態を問わず惨劇が発生しています。
ある商業施設の地下飲食街で起きたグリストラップの酸欠労災事例では、ピット内の清掃作業を行っていた作業員が作業開始直後に昏倒。呼気応答がないことに気づいた別の作業員が救助のためそのまま内部へ進入し、共倒れとなる痛ましい二次災害が発生しました。結果として作業員2名がグリストラップによる硫化水素中毒および重度の酸欠で命を落としました。
また、有毒ガスだけでなくグリストラップの転落防止蓋に関わる物理的な事故も頻発しています。厨房の床面に埋め込まれている縞鋼板やステンレス製の蓋が、油分や水分、洗剤による腐食で強度が低下。清掃中や通行中に蓋が踏み抜かれ、高温の排水やヘドロが溜まった槽内に転落して重度の熱傷を負ったり、窒息死に至るケースも確認されています。