大人になり、NHK連続テレビ小説『すずらん』のヒロインを務めるなど女優として大きな成功を収めた遠野さんですが、内面の苦しみは増すばかりでした。母親からの金銭要求や精神的な依存は続き、彼女の精神状態は限界に達します。
2013年、遠野さんは自叙伝『一度だけ』を発表。これまでひた隠しにしてきた凄惨な虐待の事実、母親の男関係、そして自身の摂食障害や強迫性障害の苦しみを赤裸々に告白し、世間に凄まじい衝撃を与えました。世間が抱く「華やかな女優」というイメージをかなぐり捨ててまで出版に踏み切ったのは、自分自身の命をつなぎ止めるための叫びでもありました。
この告白と前後して、遠野さんは母親との完全な絶縁を決断します。「これ以上関われば、自分が自分を殺してしまう」。連絡先をすべて断ち、法的な手続きも含めて距離を置くことで、人生を取り戻すための第一歩を踏み出したのです。