しりとり対策を調べる中で、多くの人が一度はぶつかる疑問が「鵺(ヌエ)は動物として回答してよいのか」という点です。平安時代の『平家物語』などに登場する鵺は、頭が猿、胴体がタヌキ、手足が虎、尾が蛇という伝説上の怪獣・妖怪です。
ネットの知恵袋や掲示板では「ヌエも動物に含まれる」という主張が散見されますが、結論から言えば、一般的な「生き物限定しりとり」において妖怪や架空のモンスターを投入するのは反則、あるいは審議入りとなるリスクが極めて高いといえます。ドラゴンやカッパを認める特殊なファンタジールールでない限り、怪異としてのヌエを出すのは避けるのが賢明です。
ただし、ここには興味深い歴史的真相が存在します。もともと古代の日本において「ヌエ」とは、夜間に物悲しい声で鳴く実在の小鳥(現在のトラツグミ)を指す言葉でした。その不気味な鳴き声の主が正体不明だったことから、時代を経て「得体の知れない怪物」の代名詞へと変化していった経緯があります。もししりとりで「ヌエ」と口走ってしまった場合は、「架空の妖怪ではなく、万葉集にも詠まれているトラツグミの古名としての鳥類だ」と論理的に弁明できれば、周囲を納得させられる可能性を残しています。
また、「ヌマ」を接頭辞にした造語疑惑を持たれやすい点も注意が必要です。「ヌマガメ」や「ヌマワニ(実在する中型のクロコダイル)」などは正式な標準和名あるいは学術的分類群ですが、知らない人から見れば「沼にいる生き物の頭に無理やり『ヌマ』を付けただけではないか」と疑われるケースがあります。実在する根拠(生息地や生態的特徴)をセットで淀みなく語れる準備をしておくことが、不要な口論を防ぐ防壁となります。