アスリートのキャリアにおいて、ケガは常に背中合わせの影だ。彼女にとっても、三段跳び特有の強烈な着地衝撃による痛みに悩まされた時期は決して短くなかった。思うように踏み切れない焦り、試合への出場すら危ぶまれた過酷な日々。しかし、彼女はその暗闇の中でも決して下を向くことはなかった。休養を余儀なくされた期間を、自身の跳躍フォームを映像で細部まで解剖し、体の使い方を再構築するための充電期間へと変えたのだ。
この試練を経て遂げた復活は、単なる体力の回復にとどまらなかった。力任せに遠くへ跳ぼうとする意識を捨て、助走の推進力をいかに空中へスムーズに伝えるかという効率性の追及へシフトしたのだ。フォームのマイナーチェンジは、復帰後の跳躍に格段の安定感と飛距離をもたらすこととなった。ピンチをチャンスに変え、技術的な深化へと昇華させる姿は、真のプロフェッショナリズムを感じさせる。