パペットマペットのキャリアを語る上で欠かせないのが、1998年の結成以来築き上げてきた独創的な芸風です。黒毛和牛をモチーフにした心優しい「うしくん」と、緑色のアマガエル「カエルくん」の2匹がメインアクターであり、漫才の定石を逆手に取ったブラックユーモアが最大の特徴でした。
ネタの定番として社会現象となったのが、いわゆる「焼肉ネタ」です。カエルくんが巧妙な話術でうしくんを誘導し、最終的に「カルビ」「ロース」といった食肉用の部位として加工しようとしたり、鉄板の上に連れて行こうとしたりする展開に、当時の視聴者は腹を抱えて笑いました。自身の宿命に怯えながら必死に抵抗するうしくんの健気なリアクションは、単なるマスコットの枠組みを超えた深い哀愁と笑いを生み出していました。
テレビ全盛期を経て、舞台や寄席、各種イベントへの出演を継続しながらも、彼らは決してキャラクターの軸をブラしませんでした。長年の活動を通じて培われた「間」の取り方と、瞬発力のあるアドリブ力は、現在のライブ配信における長時間のトークを飽きさせない強靭な基礎体力となっています。