風景そのものを一変させ、わざわざ足を運ぶ理由を作り出しているのが、世界的建築家・隈研吾氏による地域プロジェクトの数々だ。高知県梼原町の木造建築群に代表されるように、地元の木材や伝統技術を大胆に取り入れた意匠は、周囲の山並みや集落の景観と見事な調和を見せる。
隈氏の手がける道の駅、美術館、ワイナリーは、単なるハコモノの建設ではない。衰退の危機に瀕していた地域コミュニティに誇りを取り戻させ、交流人口を創出する地方創生の強力な起爆剤となっている。自然と人工物が美しく溶け合う空間に身を置いた瞬間、訪れた者は「なぜこの場所でなければならなかったのか」という深い納得感に包まれる。