年金繰り下げ受給の損益分岐点は?最大84%増額の罠と後悔の真相

年金繰り下げ受給の損益分岐点は?最大84%増額の罠と後悔の真相

年金繰り下げ受給の損益分岐点は?最大84%増額の罠と後悔の真相の重要なポイントについて、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

SNSや知恵袋、シニア向け相談フォーラムなどの現場取材を進めると、机上のシミュレーションでは見えてこない「心理的苦痛」と「家計の消耗」が浮かび上がってきます。

定年後に70歳までの繰り下げを選択した元メーカー勤務の男性(72歳)は、当時の葛藤を手記のように振り返っています。
「『年金は繰り下げれば大きく増える』というファイナンシャルプランナーの解説を鵜呑みにして、65歳から70歳までの5年間、無年金状態で貯金を切り崩しました。通帳の残高が毎月数十万円単位で目減りしていく光景は想像以上の精神的恐怖でした。旅行や趣味にお金を使うことも罪悪感になり、一番身体が動く60代後半を極度の節約と不安の中で過ごしてしまった。70歳から受け取った年金の手取り額を見て、税金の高さに愕然としました」

また、厚生労働省の統計調査や民間リサーチでも、「年金を繰り下げて待機している最中に重い病気にかかり、受給開始からわずか2年で他界した」という遺族からの悔恨の声が散見されます。行動経済学における「現在バイアス(将来の大きな利益よりも現在の小さな満足を優先する心理)」を無理に抑え込み、将来の不確実な長寿に過度に賭けることは、老後の生活満足度(QOL)を著しく損なう危険性を孕んでいます。

井上 凛
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井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。